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The Allergy Report Vol.Ⅱ p.133
アトピー性皮膚炎患者へのアドバイス
Do ~これはしましょう:
□ 乾燥しないタイプの石鹸を使う。
□ ぬるま湯(熱いお湯ではない)で、3~5分程度入浴する。
□ 糸目が粗く、ゆったりした、綿または綿の混紡の衣服を着る。
□ 新しい服は着用前に洗う。
□ 衣服と寝具を洗う時、繊維柔軟剤の使用を最低限にし、すすぎは2回行う。
□ 暑い天気では冷房をつける。
□ 症状を引き起こすアレルゲンや刺激物にさらされることを最小限にする。
□ 日光にあたる際は、非刺激性の日焼け止めを使う。
□ 爪は常に短く整える。
□ 就寝時、足には綿の靴下、手には綿の手袋をつける。
Don't ~これはやめましょう:
□ 乾燥性の石鹸、化学薬品、溶剤を皮膚に使う。
□ アルコールを含む収斂剤またはスキンケア用品を使う。
□ 表面が粗く、厚ぼったい衣服を着る。
□ 非常に暑い、または寒い、もしくは湿気のある、または乾燥した環境にい続ける。
□ 日焼けをする。
□ 刺激性のある成分を含む日焼け止めを使う。
□ 激しく汗をかき、身体を接触し合うようなスポーツに参加する。
□ とても頻繁に入浴する。
□ 皮膚を徹底的にごしごし洗う。
□ ぬれた洗面用タオルよりも表面の粗いものを入浴時に使う。
□ 洗顔ブラシや洗顔パフを使って顔を洗う。
以下のことを覚えておきましょう:
□ 日光にあたることは有益だが、汗をかくことは痒みを引き起こしやすい。
◆ 刺激性のある成分を含む日焼け止めを避ける。
□ 水泳はいいとされるが、水泳後ただちにシャワーに入り、塩素を流し落とす。
◆ 皮膚潤滑剤を塗布する。
(訳)
アレルギー/免疫学専門医との対疹や共同管理を通し、以下について、診断や治療技術についての援助を求めることが望ましい:
□ 皮膚テスト
□ ターゲットを定めた除去食療法
□ 外来要因の識別
□ 検査結果の解釈
□ DBPCFC(プラセボ対照を用いた二段階の二重目隠し食物負荷試験)
アレルギー/免疫学、及び/または皮膚科専門医への紹介が、以下の場合望ましい:
□ 局所的コルチコステロイドや抗ヒスタミンによる治療に患者が反応しなかった場合。
□ 合併症
□ 重症または長期化している疾患
◆ 強度の高い局所的コルチコステロイド(グループⅢより強いもの)を長期間または頻繁に必要とする場合。(p.127 を参照)
◆ 全身の皮膚の20%、または、目蓋、手、間擦性の部位を含む皮膚の10%に症状があり、第一選択療法に反応が見られない場合。
◆ 入院中の患者
◆ 感染の再発
◆ 紅皮症、もしくは広範囲にわたる皮膚剥落
□ 診断と治療技術についての援助
□ 患者教育
(左側水色部分)
以下のような患者は専門医への紹介を考慮する:
□ 喘息、アレルギー性鼻炎、もしくはアレルギー性結膜炎にかかっている。
□ 生活の質が損なわれている。(勤務日数の減少、登校日数の減少、睡眠障害)
□ 痒みが完全に抑えられていない。
□ 社会心理的合併症がある。
(訳)
抗ウイルス剤
□ アシクロビルの全身療法は、単純ヘルペスウイルス(カポジ水痘様発疹)の重複感染に対して勧められる。
□ 重度の感染は生命の危険となり得る。
□ アレルギー/免疫学または皮膚科専門医への紹介を考慮する。
抗真菌剤(局部的または内服)
□ 皮膚糸状菌に感染している患者は、抗真菌剤療法によりアトピー性皮膚炎を改善すると考えられる。
3、免疫療法(immunotherapy)が必要か吟味する。
□ アレルゲン免疫療法はアトピー性皮膚炎の治療として指示されるものではない。
□ アトピー性皮膚炎の治療にアレルゲン免疫療法が果たす役割は、よく吟味された対照群を持つ研究がまだ必要とされるため、確定できない。
□ アレルゲン免疫療法は、アレルギー性鼻炎または喘息を伴う場合に指示される。
4、教育と定期的なフォローアップが重要である。
教育についての情報は、第1巻:患者教育 P.71にあり、アトピー患者に適切である。
(右側水色部分)
アレルゲン免疫療法は、アトピー性皮膚炎の治療としては指示されない。
~ アトピー性皮膚炎の治療にアレルゲン免疫療法が果たす役割は、よく吟味された対照群を持つ研究がまだ必要とされるため、確定できない。
(訳)
アトピー性皮膚炎の治療計画案
第一選択療法:
□ 皮膚の水和
□ 外来要因の回避(すなわちアレルゲン/刺激物の環境的コントロール)
□ 局所的コルチコステロイドと内服抗ヒスタミンの併用
長期化、かつ/または、重度の症状の治療:
□ 家族、個人、及び環境の要因とコンプライアンスを探る。
□ 基礎的な除去食(特に5歳以下の子どもの場合で、過去の症状からふさわしいとされる時)
□ ターゲットを定めた除去食(専門医との対疹の下)
□ 一定期間の内服コルチコステロイド:
◆ プレドニゾン(0.5~1.0mg/kg)を2~3週間にかけて、徐々に量を減らしていく。
□ 対疹及び/または共同管理のために、専門医への紹介を考慮する。
アトピー性皮膚炎の治療について特別に考慮すべきこと
抗生物質
□ 患者に二次的なバクテリア感染が見られる場合に指示する。
□ マクロライド系抗生物質(すなわちエリスロシン)は通常有効である。
□ マクロライド耐性黄色ブドウ球菌のある患者には、ペニシリナーゼ抵抗性ペニシリン(ジクロキサシリン、オキサシリン、クロキサシリン)の方が適しているだろう。
□ 第一世代セファロスポリン(セファレキシン、セファドロキシル)はブドウ球菌と連鎖球菌の両方に有効である。
(訳)
内服コルチコステロイド
□ 極めて激しく悪化した時以外は使わない。
□ 内服コルチコステロイドは短期間のみ使用する。
◆ 長期の使用は避ける。
□ 内服コルチコステロイドを休止した後、患者には通常、症状のリバウンドが短期間現れる。
□ 子どもへの使用は、できる限り避ける。
内服抗ヒスタミン
□ 特に夜間の痒みを抑えるために使われる。
□ ヒドロキシジン等、昔の薬は大変効果が高いが、高い鎮静作用を伴う。
◆ 就寝前に1回服用する。(1~2 mg/kg、75mgまで)
□ 鎮静作用や行動・認知機能への障害が問題になる場合、鎮静作用のない(または鎮静作用の低い)新しい薬の使用を考慮にいれる。
◆ 鎮静作用のない抗ヒスタミンの服用量は、一般的に、アレルギー性鼻炎の場合の必要量よりも多い。
コールタール療法
□ アトピー性皮膚炎の治療法として、局所的コルチコステロイドに代わるもの、もしくはその補助的なものとなり得る。
□ 過去には広範囲で使われていた。
□ しばしば頭皮の治療(すなわちシャンプー)に有効である。
□ 慢性的に苔癬化したアトピー性皮膚炎に有益である。
□ 毛嚢炎や光線過敏症などの副作用がある。
□ 扱いにくく、衣服や皮膚を汚す。(復元可能)
局所的免疫抑制薬
□ プロトピック(タクロリムス)-0.03%及び0.1%軟膏
◆ マクロライド系薬物
◆ Tリンパ球の活性化を抑える。
◆ 2週間の使用で改善が見られる。
◆ 1日2回塗布-使用前後には皮膚を濡らさない。
◆ 2~15歳の子どもには0.03%軟膏を使用する。
□ エリデル 1%クリーム(ピメクロリムス)
◆ マクロラクタム系薬物
◆ Tリンパ球の活性化を抑える。
◆ 15日間の使用で改善が見られる。
◆ 1日2回塗布
◆ 2歳以上の子どもに使用する。
(右側水色部分)
中程度の再燃に対する、代表的な1日あたりのプレドニゾン服用量スケジュール:
成人:0.5~1mg/kg、3~10日間にかけて、症状の度合にあわせて徐々に量を減らす。
子ども:0.5~1mg/kg、3~5日間にかけて、症状の度合にあわせて徐々に量を減らす。
□ 内服コルチコステロイド使用の繰り返しを避ける。
□ 一定期間のコルチコステロイド治療後、患者に反応のない場合、アレルギー/免疫学または皮膚科専門医への紹介を考慮する。
(訳)
血管収縮分析に基づく局部的コルチコステロイドの強度ランキング
グループⅦ:最も弱い
塩酸ヒドロコルチゾン 1.0%、2.5%(クリーム、ローション、軟膏)
酢酸ヒドロコルチゾン 1.0%、2.5%(クリーム、ローション、軟膏)
塩酸プラモクサイン 1.0%(クリーム、ローション、軟膏)
グループⅥ:
プロピオン酸アルクロメタゾン 0.05%(クリーム、軟膏)
吉草酸ベタメタゾン 0.1%(ローション)
デソニド 0.05%(クリーム)
フルオシノロンアセトニド 0.01%(クリーム、液剤)
グループⅤ:
ジプロピオン酸ベタメタゾン 0.05%(ローション)
吉草酸ベタメタゾン 0.1%(クリーム)
フルオシノロンアセトニド 0.025%(クリーム)
プロピオン酸フルチカゾン 0.05%(クリーム)
フルランドレノリド 0.05%(クリーム)
酢酸ヒドロコルチゾン 0.2%(クリーム)
プレドニカルベート 0.1%(クリーム)
グループⅣ:
吉草酸ヒドロコルチゾン 0.2%(軟膏)
フルランドレノリド 0.05%(軟膏)
フルオシノロンアセトニド 0.025%(軟膏)
フランカルボン酸モメタゾン 0.1%(クリーム)
トリアムシノロンアセトニド 0.1%(クリーム)
グループⅢ:
アムシノニド 0.1%(クリーム、ローション)
ジプロピオン酸ベタメタゾン 0.05%(クリーム)
吉草酸ベタメタゾン 0.1%(軟膏)
デソキシメタゾン 0.05%(クリーム)
フルオシノニド 0.05%(クリーム)
ハルシノニド 0.1%(軟膏、液剤)
トリアムシノロンアセトニド 0.1%(軟膏)
グループⅡ(専門医による診断後使用):
アムシノニド 0.1%(軟膏)
ジプロピオン酸ベタメタゾン 0.05%(軟膏)
デソキシメタゾン 0.05%(ジェル)
フルオシノニド 0.05%(ジェル、軟膏、液剤)
ハルシノニド 0.1%(クリーム)
フランカルボン酸モメタゾン 0.1%(軟膏)
グループⅠ:最も強い
(もっとも副作用を起しやすい。苔癬化している部分にのみ短期間だけ使用する。顔、おむつかぶれ、生殖器、わきの下には「使用しないこと」。専門医による診断後使用。)
ジプロピオン酸ベタメタゾン 0.05%強(クリーム、軟膏)
プロピオン酸クロベタゾール 0.05%(クリーム、軟膏)
プロピオン酸ハロベタゾール 0.05%(クリーム、軟膏)
グループⅦの製剤は、長期の副作用を最も「おこしにくい」。
グループⅠの製剤は、長期の副作用を最も「おこしやすい」。
The Allergy Report Vol.Ⅱ p.126
(訳)
局所的コルチコステロイドの使用について、いくつかの提案:
□ 局所的コルチコステロイドを塗布する上で、患者に以下のようなアドバイスをする:
◆ 皮膚に水分を与え、かさぶたを取り除くために、なまぬるいお湯で入浴「後」
◆ 薬物無添加の保湿剤を塗る「前」
◆ 「炎症を起した」痒みのある部位のみ塗布(乾燥しているが炎症を起してない部位には塗布しない)
□ 軟膏ベースの製剤は、クリームより潤滑性があり、慢性的に苔癬化している部位に望ましい。
◆ クリームは軟膏に比べ、特に気温が高く、湿気の多い気候において、耐性がある。
□ ローション及びクリームは、患者の年齢によっては、頭皮の皮膚炎に適している。
◆ 年齢の小さい子どもには、慎重に使用する。
◆ 専門医の紹介を考慮する。
□ 顔以外の、皮下脂肪のない部位において、より強度のコルチコステロイドの使用は短期間に限る。
◆ 5,6日経過してから、強度の低い薬剤に切り替える。
□ 症状が和らいできたら、多くの患者が皮膚軟化剤のみで十分になる。
□ 局所的コルチコステロイドを用いる密封包帯法は、吸収や皮膚感染の危険が高くなるので、避ける。
局部的免疫抑制薬
成人 子ども
エリデル 1%クリーム 1日2回塗布 2歳以上1日2回塗布
(ピメクロリムス)
プロトピック 0.03%軟膏 どちらも1日2回塗布 2歳以上0.03%軟膏を1日2回塗布
0.1%軟膏
(タクロリムス)
The Allergy Report Vol.Ⅱ p.125
(訳)
2、適切な薬を使い、症状を緩和し、予防する。
コルチコステロイド
~局所的コルチコステロイド
□ 局所的コルチコステロイド製剤は、その抗炎症作用により、アトピー性皮膚炎に伴う外傷治療のカギとなる。
□ 保湿剤と一緒に使い、表皮の水和作用を促進させる。
□ 局所的コルチコステロイドを使用する場合:
◆ 症状を抑制するものの中で、強度の最も弱い薬剤を使用する。
◆ 症状が抑制されたら、強度のより弱い薬剤に切り替える。
◆ 一部のエリア(顔、生殖器、わきの下)は局所的副作用を特に起しやすいことを、常に注意する。
◆ グループⅠからⅢの薬剤は、14歳以下の子どもへの使用を避ける。
(グループとは強度別グループのことで、The Allergy Report ⑰の表を参照してください)
□ 局所的コルチコステロイドには、以下の可能性がある。
◆ 傷の治りを妨げる。
◆ 感染を隠す。
◆ 感染を悪化させる。
局所的コルチコステロイド療法による局所的副作用:
萎縮、ほてり、接触性皮膚炎、色素脱失、炎症、痒み、線条、口囲皮膚炎、紫斑病、酒さ様皮膚炎、毛血管拡張症
局所的コルチコステロイドによる全身的服作用はまれであるが、以下のものを含む可能性がある:
副腎機能の停止、白内障、発育の遅れ、医原性クッシング症候群、眼圧の上昇
(右側水色部分)
アトピー性皮膚炎の治療に使われる薬:
□ コルチコステロイド
□ 抗ヒスタミン
□ 抗生物質
□ 抗ウイルス剤
局所的コルチコステロイドの使用についての一般的考慮:
□ 全身の治療は、グループⅣまたはⅤからスタートする。
□ 顔にはグループⅦまたは希釈したグループⅥを用いてもよい。
□ 発疹(再燃)のスポット治療には、グループⅣまたはⅤを使用する。
□ 患者に反応が見られない場合、専門医による診察、及び/もしくは専門医との合同治療を紹介する。
副作用は、コルチコステロイドの強度と使用の範囲・程度が直接関係している。
局所的コルチコステロイドを閉鎖包帯法で使用することにより、吸収が促進され、副作用の可能性が高くなると考えられる。
専門医による診察が勧められる。
(訳)
2、適切な薬を使い、症状を緩和し、予防する。
コルチコステロイド
~局所的コルチコステロイド
□ 局所的コルチコステロイド製剤は、その抗炎症作用により、アトピー性皮膚炎に伴う外傷治療のカギとなる。
□ 保湿剤と一緒に使い、表皮の水和作用を促進させる。
□ 局所的コルチコステロイドを使用する場合:
◆ 症状を抑制するものの中で、強度の最も弱い薬剤を使用する。
◆ 症状が抑制されたら、強度のより弱い薬剤に切り替える。
◆ 一部のエリア(顔、生殖器、わきの下)は局所的副作用を特に起しやすいことを、常に注意する。
◆ グループⅠからⅢの薬剤は、14歳以下の子どもへの使用を避ける。
(グループとは強度別グループのことで、The Allergy Report ⑰の表を参照してください)
□ 局所的コルチコステロイドには、以下の可能性がある。
◆ 傷の治りを妨げる。
◆ 感染を隠す。
◆ 感染を悪化させる。
ウェットドレッシング療法による局所的水和作用が、有効だと考えられている。
□ 症状が激しい部位、または慢性的に症状のある部位で、従来のスキンケアでは治りにくい部分について勧められている。
□ 生理食塩水またはdomeboro溶液(すなわち酢酸カルシウム、硫酸アルミニウム収斂剤)は、滲出性及び/あるいはかさぶたになった局所的な感染部位に、有効だと考えられている。
□ 痒みと滲出を減らすと考えられる。
□ 医療提供者によって厳密に監視されなくてはならない。
□ 使用しすると、皮膚を冷やし、ふやかす場合があり、二次的な感染をもたらす。